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レフリー

連日パリオリンピックで熱戦が繰り広げられている。

残念なことに、「パリ誤審ピック」などという言葉が使われるように、誤審と言われる判定が多いように見受けられるが、過去のオリンピックにおける誤審率のような比較データがない状況では、その多寡を語ることに意味はない。

とはいえ、誤審はなぜ起こるのかを考えておくことは、競技をするうえで重要だろう。

誤審に何かしらの背景が存在するのかについては、検証するデータがなければどうにもならない。

このような場合には、後日司法による調査が必要となるので、選手レベルでどうこうできるものはない。

単なる審判のミスに起因する場合については、選手であってもレフリーやサイドレフリーを行う国内大会を考えれば、何かしらの対策を講じておきたいと考える。

まずはミスについて、その種類と原因を考えるところからはじめたい。

最近の公式戦で見受けられたミスとその原因を挙げてみた。

事例①

ミス:ダブルの初矢を撃った際、隣の射面から飛び込んできたクレーの破片を選手が出割れと判断し、二の矢を撃たなかった。これに対して、レフリーは二の矢を撃たなかったことから失中とした。サイドレフリーとスコア係が気づいていたが、選手が抗議せずに射台を離れたのでスコアは1-0と記録された。

原因:選手の高齢化も懸念されるが、レフリーの高齢化も進んでいる。高速化するクレーに対して、レフリーの身体能力がついていけていない。サイドレフリーからのアピールを確認せずにジャッジした。また射撃技能が低いレフリーでは、基本的なレフリングの方法を知らず、命中失中を確認しきれない能力不足の人も存在する。

事例②

ミス:ダブルで二の矢のクレーが出割れだったにも関わらず同射と判定。

原因:射手がコールした際に、二の矢のクレーの放出を確認すべきところ、射手と同じく初矢のクレーの放出を見ていた。サイドレフリーの確認を取らない。

事例③

ミス:ガンポジション、タイムオーバーなどの警告を宣告するため、ストップをかけてイエローカードを提示するまでは良いが、再開の指示を明確にしない。さらに、この時点でスコアボードを修正する必要があるにも関わらず進行して次番射手の射撃を止めざるを得なくした。

原因:厳しく警告を取ることに意識が偏り、全体の運営や放出クレーに対する注意が分散している。

まだまだ、多くのミスが発生しているだろうが、ここ数か月の内に私が見たミスだけでも、10件以上あった。

​レフリーの質が低いことは、以前から続く問題であり、東京オリンピックを経験しても向上したとは言い難いというのが現実だ。レフリー側でレフリングの技術向上を目指して貰うことは必須だろうが、過去を見る限り期待はできない。そのことを踏まえて射手側で考えられる対策を挙げておきたい。

対策①:ルールを熟知する。

当然ながら、判定に対する抗議をするためには、ルールを知っているかどうかが重要である。

対策②:レフリーと仲良くする。

レフリーも人である以上、感情もある。名前を覚え、顔見知りであれば、必ず情は働くもである。

対策③:レフリーが競技委員長やジュリーからどのような指示を受けているか見抜く。

最近の本部公式では、ガンポジションやタイムオーバーなどにこだわったレフリングがおこなわれているので、その傾向を見抜くことでリズムを崩さないように注意すべきである。

対策④:確実に命中させる。

​一片の破片では、高齢化しているレフリーが見逃すのもやむを得ない。確実に割ることで、明確な命中をさせることが最善の対策である。

魂の叫び~スキート射撃論~

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