top of page

スキート射撃の勧め

昨今では、シカ、イノシシなどの大物猟がやりたいということで、散弾銃を所持する人が多いです。

獲物の数を考えれば、当然かも知れません。

そのため、大物猟に適した銃種を選択し、静的射撃に取り組む例も少なくありません。

初心者が受講する教習射撃も、本当なら静的射撃で行った方が良いかも知れません。

しかしながら、現状は、トラップ射撃かスキート射撃の二択。

実際は、ほとんどがトラップ射撃で教習射撃は実施されています。

目的が大物猟ですから、自分の銃を所持すると、自然と静的射撃へと進んでいくことになります。

ここで発生する問題が、装填時の銃口の向きです。

トラップ射撃では、装填時に銃口はクレーが飛ぶ方向、斜め上方に向けるように指導します。

さらに、そこから射撃姿勢を完成させるまでの間、銃口は斜め上方空間に向いている状態が継続します。

トラップ射撃ならば、これは正しいことです。

しかし、この装填、射撃姿勢をライフル・スラッグ射撃場の静的射撃で実施したらどうなるでしょう。

ライフル・スラッグ射撃場のバッフルや天井の弾痕を目撃している方は多いのではないでしょうか。

「なんで、あんなところを撃つの」と疑問に思うでしょうが、原因はトラップ射撃と同じ装填動作を行っているからに他なりません。

バッフル式に限らず、ライフル・スラッグ射撃場における装填時の銃口の向きは、安土(バックストップ)の方向になります。

バッフルの底辺からグランドレベルの間だけが、安全な方向なります。天井と同じく、左右の壁の方向に向けることも誤りなのです。

 

まぁ、ここまでは余談。そろそろ本題に入りましょう。

​【お勧め理由①】~スキート射撃だけ~
散弾銃の用途を考えると、基本は鳥猟でしょう。
一度として同じ展開のない狩猟の現場においては、追い矢だけでなく迎え矢が必要となります。

大物猟でも、勢子が射手の方向に向かって獲物を追い出す訳ですから、迎え矢で対応することが基本となります。

迎え矢の練習ができるのは、スキート射撃だけなのです。

また、コールから3秒以内に無作為にクレーを放出するタイマーは、猟野でいつ飛び出すかわからない獲物に対処するためには、極めて有効な練習となります。

さらに決定的に、トラップ射撃では練習できない挙銃動作がスキート射撃にはあります。

いかなる場合でも、素早い挙銃と正しい狙いが、狩猟には求められます。

瞬間に、オス・メスの判断を下し、正確に射撃するためには、トラップ射撃よりもスキート射撃の方が優れているのは、間違いの無いことであり、ここに私がスキート射撃を勧める理由があります。

【お勧め理由②】~豊富な練習量~
トラップ射撃では、1枚のクレーに対して2発撃つことができます。一方、スキート射撃ではダブルの場合でも1枚のクレーに対して撃てるのは1発だけです。
そのため、トラップ射撃はスキート射撃に比べて消費弾数が多くなります。そこだけで考えれば、スキート射撃よりもトラップ射撃の方が練習量が豊富だと考えるかも知れません。

しかし、正しく狙うという動作を考えた場合には、錯覚を使って狙うトラップ射撃よりも、より正確に狙うことを求めるスキート射撃の方が優れていると言えるでしょう。

トラップ射撃の狙いを錯覚で狙うと書きましたが、クレーそのものを正確に狙ってのではなく、クレーを銃口が追い越す瞬間に引金を引くことで、リードを生み出すという狙いの特徴を示しています。

いずれ、スキート射撃の見越し(リード)についてご説明することになりますが、この見越しは、絶対的なものであり、正確に狙わない限り、スキート射撃では命中することはありません。仮にトラップ射撃と同じ弾数を消費した場合、スキート射撃では確実にトラップ射撃よりも多くのクレーを撃つことになります、

さらに、静的射撃だけ練習することを考えれば、装弾の単価が大きく影響します。

クレー射撃用の7.5号や9号であれば、1発60円前後。

スラッグなら、安くても、その倍です。

懐に優しく、豊富な練習ができるのは、スキート射撃ならではです。

 

【お勧め理由③】~オールラウンダー~
スキート射撃から取り組む人が少ない理由としては、ルールが難しい、指導者がいないということでしょう。

それでも、スキート射撃をお勧めする第三の理由は、他の射撃への応用力の高さです。
スキート射撃で練習を重ねた射手は、トラップ射撃をさせても比較的上手です。一方、トラップ射撃の場合、スキート射撃に対応できる射手は少なくなります。

さらに、スキート銃はスラッグ弾を撃つのにも適しています。

紙の的のように、獲物が立ち止まってくれているような状況は、ほとんどないでしょう。

動いている獲物を狙うのに、紙の的を撃ち続けることに意味はありません。

おまけかも知れませんが、スキート射撃で正確な拳銃動作が身に付くと、スコープを正確に覗くことが出きるようになります。

私は、スキート射撃ばかりです。

射撃場でライフル銃を撃つのは、スコープ調整の時だけです。

ライフル銃の射撃練習はほぼ皆無ですが、狩猟や仕事の場で、使用することに不都合はありません。

スキート射撃が上手くなれば、他の射撃も上手くできるようになります。

さらに、難しいISSFルールに基づいたスキート射撃を習得すれば、ジャパンルールなどは簡単すぎるように感じることでしょう。

おまけです。

群馬県スポーツ協会の企画で撮影されたクレー射撃を紹介する動画です。

https://www.youtube.com/watch?v=BxZ3d7FcNIE&t=43s

https://www.youtube.com/watch?v=TmDU2oYShaE

魂の叫び~スキート射撃論~

  • alt.text.label.Facebook
  • alt.text.label.Instagram
  • kakuyomu

© 2023 by Yutaka AOki. Proudly created with Wix.com

bottom of page