スキート射撃の練習方法
ここからは、目標を定めて取り組むことをお勧めします。
全日本選手権や国体に出場したい、狩猟でシカを捕獲したい、猟友会や銃砲店の大会で活躍したいなどなど、目標はいろいろあるでしょう。
できる限り、少ない弾数で、早く上手くなることを心掛けていきましょう。
動画の射手は、息子ですが、約2年でAクラスまで到達できました。
もう一人、Aクラスの射手がいますが、いずれも1万発は撃たずに到達できていますので、彼らをモデルにスキート射撃の練習について、ご説明していきます。
初心者であれば、まずは肩付けをしたままでクレーに当てる感触を身につけることを勧めたいと思います。
とはいえ、いずれは多くの先輩射手のようにガンポジションから挙銃動作を経て、格好良くクレーを撃破したいと思うことでしょう。
拳銃動作において留意すべき点は、4スタンス理論にしたがえば以下のようになります。
Aタイプは、脇を絞めたり、肘を上げた方が動きやすくなります。
Bタイプは、肘を自由に動かせるようにすることが大事です。
挙銃動作は、射撃場だけでなく自宅でも練習可能であり、かつ必須の練習でもあります。
その基本をまずは、しっかりと自宅でのトレーニングで身につけ、平行して射撃場での当てる感覚を身につけることで、次第にガンポジションからの挙銃動作を取り入れた射撃へと移行することを勧めたいと思います。
この練習段階に時間や回数を設けるのも、短期的な目標の設定としては理想的な課題になるはずです。
間を開けずに、頑張ることが重要です。
大まかな目安としては、毎晩100回、100日の挙銃練習で10,000回になります。
平行して、3,000発くらいの射撃を行えれば、理想的でしょう。
さて、挙銃動作ですが、いくつかの基本がありますので、まとめて置きましょう。
① クレーから目を離さない。
② 挙銃の間に銃口が動揺しないこと。
③ 銃口が撃破予想点へ先に飛ばないこと。
④ 銃床が肩の真下から上がること。
⑤ 銃床が頬と肩に同時に付くこと。
とりわけ重要なのが①です。
また、②がおろそかになればクレーと照星の位置関係すなわち狙いが不正確になります。
③が、いわゆる銃が飛ぶ、あるいは当てに行くということです。
初心者の射撃教本では、スイングの正誤として表現されています。
初心者は①や②での失敗が目立ちますが、ある程度射撃を重ねると③での失敗が目立つようになります。
これは、撃破予想点が分かるようになり、当てようという気持ちが強くなれば強くなるほど、鉄砲が撃破予想点へ先に飛ぶようになるからと考えられます。
このため、私がお勧めする拳銃練習では、ガンポジションから真っすぐに上げて、肩付けをする動きだけを繰り返します。
肩付け後に、左右にスイングするようなことはさせないようにしています。
④と⑤は、前述のとおり、自宅での基礎練習で十分解決出来ることですが、おろそかに出来ないポイントであり、上達には必須の練習です。
また、上から見た三角形が重要です。
先台を支える左手と左肩と肩付けをした右肩の3点を結ぶ三角形が挙銃動作において完成することが大事です。
自宅での挙銃動作の練習でも、拳銃姿勢の確認が重要です。
上から見ることはできませんが、体の向きと銃口の関係として正面からでも確認することができます。
クレーを確認後、挙銃動作を開始したとき銃が飛ぶとこの三角形が崩れることになります。
すなわち、狙いがずれることを意味します。
挙銃動作が完了し、拳銃姿勢が完成したときにこの三角形が崩れていなければクレーと銃口の位置関係(狙い)が確実なものになる訳です。
この三角形をつくるために重要なのがスタンスです。
テキストどおりにするのも良いですが、無理な体勢からの挙銃動作は、この三角形を崩す原因ともなります。
※自宅での挙銃動作の練習方法
① 壁と天井の隅に目標(狙点)を定め、拳銃姿勢をつくり銃床をウエストマークまで下げます。銃口が動揺しないように挙銃動作を繰り返し行います。(10回を1セットとして、10回行う。)
② 時には、目を閉じて挙銃動作を行い、銃口の動揺がないか確認することも大事です。(① の過程で、時々確認する。)
ここで、目の使い方も同時に訓練した方が合理的です。
これは、スキート射撃での狙いは、狙点に対して行っていないからです。
スキート射撃では、クレーとリブ(照星)の横方向における関係で狙いが構成されています。
このため、挙銃動作において確認するのは肩付けと頬付けが重要であり狙点方向を見ることは重要ではありますが、必ずクレーを想定した見越しの距離も意識の中に置くべきでしょう。
③ しっかりと銃床をウエストマークまで下げ、 コールしたつもりで素早く挙銃動作を行います。
銃を横にスイングする必要はありません。
拳銃姿勢が完成したところで、肩付けと頬付けの確認を行うのは②と同様ですが、その時に想像してクレーがどの位置に見えるかを確認します。
この繰り返しで、一定の位置にクレーを思い描けるようになれば挙銃動作の中での狙いをも同時に訓練することが出来ます。
また、射台で実際に撃つときこの位置関係がイメージされているかどうかで命中と失中の差がはっきりと意識できるようになります。
射撃場における練習の段階と目標使用弾数についてご説明しておきます。
各段階における練習方法の詳細は、次からの更新時にご確認ください。
拳銃動作とタイマーをどの段階で取り入れるかは、射手によって変化します。
器用なひとなら、早い段階で取り入れても良いでしょう。
各段階において、弾数が予定より多く必要とするようならば、各段階をクリアすることを優先すべきです。
各段階は、80%程度の完成度で次に進みましょう。
上手くいかない場合には、段階を戻ってみるのも一策です。
上述のような練習で約3,000発となりますが、これを一年間で実施できるように頑張ってください。
間隔が開くと、なかなか階段を上ることはできません。
このメニューは、私が実際に行った練習方法であり、3か月間でこの各段階を行い、地区猟友会の大会で優勝できるレベルまで上達できました。
お金と時間が一番の問題になるかも知れません。
それだけに、経済性を考え、一発一発を真剣に考えながら撃つことが求められます。
射撃場での練習において最も大切なことは、「2回同じ外し方をしたら、3回目は撃ち方を大きく変更してみること」です。
同じ失中を何度も繰り返すのは、外し方の練習になってしまいます。
その撃ち方では命中しないよとクレーが教えてくれています。
3回目は、何かを意識的に変更してみることが大事です。
たとえそれが不正解であっても、同じ外し方を練習するよりは、ずっと生産的な練習となります。
さらに、重要なのは、射撃ノートを作ることでしょう。
気づいたこと、上手くできたこと、できなかったことなどを記すことは、目標達成のためにも重要ですし、悩んだ際には、助けてくれることも期待できます。
ラウンド練習に入って、試合に出るようになれば、二年以内にAクラスを達成できるように頑張りましょう。
そこまでの技量は必要ないと思うのであれば、各段階の達成率を70%とか60%と仮定すれば良いでしょう。
とはいえ、80%の技量が身に付けば、ちょっと射撃を休んでも、直ぐに思い出せるようになります。
60%、70%では、各段階を行ったり来たりするようになるので、かえって経済的ではなくなってしまいます。
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