魂の叫び~スキート射撃論~
スキート射撃の姿勢⑨
最初から射撃姿勢を完成させてからコールするトラップ射撃では、みぞおちから上はギブスで固められた感覚が大事で、みぞおちから上は銃と一体となってスイングする銃そのものと考えるとのことです。
スキート射撃では、コールからクレーの放出まで最大3秒間の時間差がランダムに生じます。
クレーの放出を確認してからでなければ、銃を構えることが出来ませんので、トラップ射撃のようにギブスで固める時間は到底得られません。
したがって、スキート射撃では下半身は砲台と同じく安定させたうえで、上半身を柔軟に使ってクレーを捉えることが重要となります。
このため、トラップ銃には中間照星があっても何ら不思議ではありませんが、スキート銃に中間照星は不要になります。
さて、正しいスタンス、正しいアドレスから、コールしてクレーを要求してみましょう。
放出口からクレーが放出された瞬間が、拳銃動作開始の0のタイミングとなります。
その際に、生じる動き(拳銃動作)は、以下のようになります。
①銃床をガンポジションから持ち上げて、肩と頬に同時に付くようにする。
②銃口は、クレーの飛翔に合わせて横方向へのスイングが始まる。
③狙いを完成させて引金を引いて発砲する。
ここでのポイントは、①と②の動作は、時間差があるものの、平行して行われる動作であり、そのバランスが難しいところです。
射撃教本では、スイングの軌道の正誤という図が掲載されています。
このとおりの動きを文字であらわすとすれば、
①銃口を横にスイングせず、真っすぐに拳銃動作を行う。
②クレーの飛翔に合わせて横へスイングを行う。
となります。このようなスイング軌道を2モーションと呼びます。
しかしながら、こんな動きは現実的ではありません。
真っすぐに拳銃動作を開始した場合、横方向へのスイング速度は0です。
ここで、クレーを照星で捉えて横方向にスイングを開始したのでは、到底見越しの距離(リード)をとることなどできません。
一方で、誤りとされているスイング軌道では、照星とクレーは離れていますが、いずれは交差あるいは一致するようになります。
このようなスイング軌道を1モーションと呼びます。
誤りとされる理由は、クレーを待たずに、撃破予想点へと先回りする場合を指していて、クレーと照星がシンクロして動いていれば、決して誤りということではありません。
1モーションと2モーションの射撃については、友人のYouTubeで観ることができるのでご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=tr_MIj0Nq3A
どちらが優れているかということではなく、どちらの射撃が好きかということになるでしょう。
現実的な2モーションを図式化すれば、以下のようになります。
横方向への予動動作が入ることで、飛翔するクレーの前方向に、照星を入れていくというイメージでしょうか。
上図と比較した場合、角が取れた感じになります。
この角をどの程度取り除くかというところが、1モーションとの違いかも知れません。
角を取りすぎれば、クレーを置いてきぼりにしてしまいます。
1モーションも2モーションも、クレーと照星を如何にしてシンクロさせるかというところに行きつきます。
そのためには、クレーと照星が近い位置で動くことが重要となり、これを「拾い(ひろい)」と言います。
1モーションは、スイングしながら、拳銃動作をするというイメージでしょう。一方、2モーションは、拳銃動作をしながら、スイングするというイメージが分かりやしかも知れません。
もうひとつ1モーションと2モーションの違いを挙げるとすれば、左手の使い方でしょう。
1モーションでは、照星の待機位置がクレーの飛行線よりもかなり低い位置に置きます。2モーションでは、ほぼクレーの飛行線付近となります。
結果、1モーションは左手が拳銃動作をリードすることになり、照星と銃床が同時にガンポジションから拳銃姿勢の完成位置へと動きます。
2モーションでは、左手は大きな仕事はせず、照星を支点として、銃床がガンポジションから拳銃姿勢の完成位置へと動くことになります。
1モーションの欠点は、横方向への拳銃動作で軸の回転が伴わないと拳銃姿勢における上から見た三角形がくずれ、手撃ちになりやすいことでしょう。
2モーションの欠点は、照星が支点とならず、左手が支点となって、銃がシーソーのように動くことでしょう。特に初心者には、この動きを習得するまで苦労するかと思います。
いずれにも一長一短がありますので、ここは好みなのかも知れません。
ただ、1モーションで射撃を完成させた人は、なかなか2モーションの射撃に変更することは出来ません。一方で、2モーションで射撃を完成させた人は、容易に1モーションの射撃に変更できるということは、知っておいても良いかと思います。

